AYAKA
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第1話 キャンペーンガールとして

居酒屋の壁に張られた、1枚のまっさらなポスター。
それは、歴代のビールのキャンペーンガールのポスターの横に、ジョッキーグラスを片手に微笑む自分。
「ちょっと彩香、ポスターの前で一緒に写真撮らせなさいよ~」
「あっ、俺もーっ。だって同期の奴に『この子、同級生』って自慢したのに、全っ然信じねえんだもん!」
コマーシャルモデルという仕事を続けてきて、いくつか嬉しい瞬間はあるが、故郷の、しかも自分が行き慣れた居酒屋に、こうして自分のポスターが貼られているのを一緒に喜んでくれる仲間と飲むとは思ってもいなかった。うれしいシチュエーションだ。
記憶をさかのぼると、きっかけは大学に入り、
2年生になったばかりの頃。
明日からゴールデンウィークというせいか、人もまばらになった学食へ、私は向かった。
「彩香ぃ遅―い。もう先食べてるよ~。」
カヨはこの大学にしてはとてもお洒落で、男子の中でも有名な子。
1年の時に英語のクラスが一緒で、放課後一緒にお茶するようになってから仲良くなった。
「ごめん、ごめん。あれ? 珍しいね、カヨがそんな雑誌見てるの」
「違うのよ。これにね、今度この雑誌と資宝堂のおっきなイベントがあるってページが
あってさ。ほら、これこれ。このイベントに参加すると、帰りにスキンケアラインと、アイシャドウとか、もらえるらしいの。ちょっと良くない?」
「へぇ。合計2万円相当かぁ...。いいね。」
「でしょ、でしょ? じゃぁ、応募するよ! いいわね?」
活発でよく喋るカヨとは、この点でもとても気が合った。