(1)信頼できる人に相談を!
いくつかのことを調べて怪しい事務所ではない!とわかったとしても、まだ安心はできません。事務所と契約する時には、「契約書」というものにサインをしますが、その内容、ちゃんと理解できていますか?契約書は、自分の信頼できる人に必ず見せましょう。たまに内容をよくわかっていないのにサインをする人がいます。理由を聞くと、難しいし別に大変なことが起きるわけでもないだろうから…という理由。契約書はあなたと事務所の働き方やお金の取り分を決める大事な約束事。難しいと思ったとしても、必ず内容は理解する必要があります。
よく、契約書を「怖いもの」だと思っている人がいますが、契約書自体はあなたを“守る”ものです。まともな事務所であれば、事務所だけに利益が出るような一方的な契約書にはなっていないはずですので、内容はわかっておくようにしてください。
家を借りたりする時などにも契約書がありますが、賃貸の場合はだいたいのフォーマットが決まっていて、会社や物件によってすごく内容が違う、ということはありません。ではモデル事務所や芸能界はどうかというと、会社によってその方針や決め事がけっこう違ったりします。
自分が入ろうとしている事務所と違う事務所の人(所属のモデル)に相談する人もいますが、お伝えしたように事務所によって内容が違うことのほうが多いので、単純に他の事務所と比べて良い悪いを判断するのはあまり良いことではありません。
一番良いのは弁護士の先生に相談することですが、なかなかそういうわけにもいかない人もいると思います。まずはご両親や身内の人に相談してみましょう。内容もあまり理解していないのにハンコを押してしまう、なんてことがないように注意してくださいね。
(2)契約書内容の確認ポイント
契約書にサインする前に見た方が良いポイントとしては大きく
① 契約のかたち(所属?登録?)
② 契約の期間(開始〜契約満了日)
③ 契約金に関して(所属や登録をする時にかかるのかどうか)
④ ギャランティの制度(給与制なのか歩合制なのか)
⑤ レッスン料や研修料について
⑥ プロモーションの制度
などです。これは本当に大まかなことですが、ほとんどの場合この6つの点に関してはなにかしら記載があると思います。
<① 契約のかたち>
「所属」なのか「登録」なのか、それとも「委託」なのか…一言に契約といっても、あなたと事務所の関係性は違ってきます。そしてこの契約のかたちでお金のしくみもだいたいが決まってきますので、自分がどれに当てるのか調べてみてください。
<② 契約の期間>
いつから契約が始まって、いつ終わるのかということです。契約の期間は1年もあれば3年、5年もあります。事務所や人によって違います。
<③ 契約金に関して>
① にも関わってくるところですが、所属するときにかかるお金があるの
かどうかは知っておきましょう。
<④ ギャランティの制度>
特にこの「ギャランティの制度」に関してはよく確認するようにしてください。(お金のしくみについて詳しくはこちら「 」)。毎月決まったお金がもらえるのか、仕事をした分だけがもらえるのか、事務所によって違ってきます。
<⑤ レッスン料や研修料について>
モデルはデビューしてすぐに仕事がもらえるわけではありませんので、一定のレベルになれるまでほとんどのモデルがレッスンや研修を受けています。その時にかかるレッスン料や研修料がどの程度のものなのか、それが契約書に書いてあるのかないのか、それもしっかりと理解しておいてください。
<⑥ プロモーションの制度>
これはモデルとして活動する時に使うコンポジットやBOOK(詳しくはこちら「 」)は事務所で作ってもらえるのか、またそのお金はどうなっているのかを確認する必要があります。事務所によっては自分ですべてやらなければならないこともありますし、逆に事務所がすべてやってくれるような場合もあります。
いかがでしたか?ここに書いたのはほんの一部ですので、自分が考えている事務所がどんなしくみなのか、納得できるまで調べてみましょう。チャンスをつかもうとしすぎるあまり、焦ってしまうのが一番NG。こういうのって、自分のこれから人生を決める、大事な選択になります。たとえ1~2か月ずっと迷ったとしても、その先の長いモデル人生を決めることですので、そう考えるとその1〜2か月は大した問題ではないと思えちゃいますよね。焦ることはありません、じっくりと考えて、答えを出しましょう。