(1)決定権を持つのは…○○!
キャスティングをする段階で、もちろん候補者は何人も出ます。でも、最終的に決まるのは1人、もしくはごく少数です。最終的な決定権を持つ、と言っても、映画やドラマ、広告など媒体によって、決定権を持つ人が違ってきます。下に、媒体とその決定権を持つ人をまとめました。
・映画やドラマ … 監督やプロデューサー
全体を客観的に見て、世界観を決める
・広告 … 商品のスポンサーや広告代理店の方が多い
しかし、ケースによっては制作会社がキャスティングの権限を持っていることもある
・ファッションショー … ファッション・デザイナー
しかし、撮影を依頼されているカメラマンや、演出にあたって人物のイメージの全てを任されているスタイリストやヘアメイクが権限を持っているケースもある
(2)キャスティングって、実はこんなに重要!
こんなことがありませんか?有名な原作の実写ドラマや映画化が決まった時に、「えー、この人があの役?ちょっとイメージと違うかも…」という経験は、誰しもがあることだと思います。
この場合は、原作主人公のイメージが、あなたとキャスティング担当者の間で異なったということになります。いくらその原作が好きでも、配役が自分のイメージと違ったら、見る気持ちが薄れてしまうこともありますよね。つまり、キャスティングとは、その作品のイメージを作り上げる上で、“重要な仕事”であるということが言えるでしょう。
(3)キャスティング会社とは
いくら最終決定権を持つ人が、こんな子を使いたい、という細かいイメージを持っていても、日本国内には星の数ほどタレントやモデルがいますよね…。つまり、全てのモデルやタレントを把握するなんて不可能に近いんです。そこで登場するのが、「キャスティング会社」!タレントやモデルを知り尽くした、キャスティングを専門に行っている会社にサポートしてもらうのが一般的なんです。ただ、このキャスティング会社は、「配役に見合うモデルを探す」だけではありません。実は、キャスティング会社にはこんな業務もあるんです。
- クライアントの広告のイメージを的確に吸い上げ
- 広告の条件の整理…予算、媒体、広告機関など
- 候補となるモデルのピックアップと所属事務所など情報の把握
- 事務所からの宣材写真(コンポジット)収集
- 書類審査のサポート
- オーディションの開催
- スポンサーと、タレントやモデルとの橋渡し
- 肖像利用に関しての契約の整理・締結
- 肖像利用開始後の肖像管理
- 肖像機関の管理、延長契約
このように、イメージに合った子を探す、以外にもたくさんの仕事があります。実は、タレントやモデルを1人キャスティングすして世に出すのには、結構複雑で、しかも細々した作業があるんです。でも、重要なことなので、ないがしろにもできない。モデル事務所や芸能事務所だけではこの仕事量をとてもじゃないけど抱えきれないので、キャスティング会社にサポートしてもらう形になるんですね。
もちろん、その中でも大きな目的は、より商品のイメージに合ったタレントやモデルをピックアップしてもらうこと。たとえば、CMに出たモデルがそのまま商品のイメージになることだって多くあります。キャスティング会社は、責任重大、かつ、とても大事なお仕事を担い、わたしたちモデル事務所や芸能事務所を助けてくれているんです。
キャスティングについて、さらにキャスティングを行う会社について、詳しいことがわかりましたか?モデル1人をキャスティングするのに、たくさんの人が関わり、たくさんの時間がかかっています。いつか自分が広告などに抜擢されたら、数多くのモデルの中から選んでもらったという自覚をしっかりと持って、仕事にのぞみましょう。
次の章では、実際にキャスティング会社がどういう手順でモデルやタレントをキャスティングしているのか、決定しているのかを詳しく説明していきます。